見分け方 ステンドと光編

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「お部屋の壁紙はね
『ピンクのバラ』が一面にプリントされてる物を使うのよ~♪」
昔、お客様から言われ
壁紙のサンプルを見せられた時の言葉である。

その彼女は、
ステンドグラスを入れる事が夢だった。
ず~っとずっと、憧れていたそうだ。

お家を建てるのも
「バラ柄の壁紙」も
みんな、みんな、
ず~っと前から楽しみにしていたそうだ。

だからこそ、
その夢を、ステンドを入れる予定になってる部屋に
全て凝縮したら、
きっと素晴らしい部屋になるのではないか
そう考えたらしい。

嬉しそうに話す彼女の
その幸せそうな表情は、今でも忘れられない。

しかしそれでは
ステンドの「光」は何処へいけばいいのだろう?
とっさに思ったので

彼女に丁寧に説明した。

「このバラ柄の壁紙はとても素敵ですね」
壁紙のサンプルを見せられながら 私が答えると
彼女は嬉しそうである。

「ステンドはこの部屋に入るのですよね?」
彼女はさらに嬉しそうにうなずく。

「ステンドには、本体を見て楽しむ事と
夕方室内に電気を灯したとき
外から見たときに、きれいに輝きます。」
とても嬉しそうである。

「実はもうひとつ、
ステンドには楽しみ方があるのをご存知ですか?」

彼女が、身を乗り出したので、私は続けた。

「実は『光』がとてもきれいなんですよ。
ステンドは、本体ももちろん きれいですが
実は、ステンドを通して、壁や床に映った光の影が
とても、きれいに映るのが特徴なのですが…
このバラの模様の壁紙では、見れなくなってしまいます。」

私は続けた。

「そして、折角のきれいな、このバラ模様の壁紙には
ステンドの色が移りこんで、バラの色は変わってしまいますね」

彼女は悲しそうな顔をした。

それはそうである。
『ピンクのバラ』は彼女の夢である。

そして私は
「折角ですので、このバラの柄の壁紙は
別のお部屋で使う事は出来ませんか?」と続けた。

彼女は嬉しそうに
『ねぇ、それならそのステンドの「光」を見るためには
どんな壁紙がいいのかしら?』

その打ち合わせの席には
建築事務所の方も同席されてたので
その場で壁紙選びとなったのである。

次回は 喜び。

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