美しい「黒」でありたい
鴉がその昔、
白い鳥だった
と
いうお話をご存じだろうか?
白い鴉は
美しい色を持つ他の鳥の色にあこがれ
赤い鳥を見ては
赤いペンキを
青い鳥を見ては
青いペンキを
黄色の鳥を見ては
黄色いペンキを
緑の鳥を見ては
緑のペンキを
そして
そして…
と
美しい他の鳥たちに憧れるたび
その色のペンキをかぶり続け
結局
ほかの鳥たちから
気味悪がられるような
見たことも無い
色になった。
その色が「黒」だった。
子供のころ読んだ
一冊の絵本の中のお話。
話自体は
よく覚えてないが
こんな話だった気がする。
そして
鴉は
仲間たちに
気味悪がられることが
辛くなり
群れをなさず
闇にまぎれ
目立たなく生きていく道を
選んだ。
でも、私は思う。
たくさんの色を重ね
得た色は
まさしくオリジナリティーであり
美しいものだったに違いない。
まわりとは
似ても似つかなくなった
その色をまとまった鴉は
自分の姿を隠す道を選び
闇夜に紛れたが
他の鳥にばかり憧れる鴉には
それを「美しい」と
思えなかったのかもしれない。
たくさんの憧れが
さまざまな物を産みだし
究極の
オリジナリティーに辿り着く。
なんて素晴らしいことなのだろう。
辿り着いたオリジナリティーが
今までに
見たこともないような色になった時
それが「自分」だと
それが「美しい」のだと
言える強さを持ちたいと
冬の澄んだ空を舞い降りてきた
鴉を見ながら
強く思った。












