「第二章」

 ここしばらく
自分の真ん中にあった
大きく太い柱が突然なくなった…

そんな雰囲気を
本年の美術展出展の全てを終えてから
一週間くらいの間

感じていた。



よくわからないその不思議な感覚は

例えるなら

豆腐の真ん中に
大きくまぁるく、円柱にくり貫かれて、
すっぽりと
真ん中だけが無いという

そんな状況の中に
放り出された感覚。

豆腐の柔らかさまでも含めて
ものすごく
鮮明に質感が近い。



「豆腐」以外にも
なにか
例えられる物もありそうなのに
「豆腐」が一番しっくりするから不思議だ。


それも、

空洞部分に自分が立って
見上げているわけでなく
そのくり貫かれた四角い側の中腹断面から
真ん中にできた空洞を
覗きこんで
眺め見ている自分がいる。



分かりそうで、
分からなさそうなその感覚を
ヤケに
鮮明に肌で感じていた。



分かりにくいはずなのに
そのくり貫かれた
側の断面を鮮明に感じるって
矛盾してる事が
頭で分かるから変な気持だ。



すっぽりと真ん中をくりぬかれ
その残ってる側が
まるで自分自身だと


その大きな
真ん中に出来た空洞に
もともと
何があったのか思いだせず

かと言って

何かを失った感じでも無く
そこに空間が
新たにできた感じでも無く

空虚な感じや
喪失感
不安な感じはまったく無く


ただ、冷静に
この
真ん中の大きな空洞が何なのかを
うかがい見ている自分がいた。


何かが
穏やかに変わっていく感じを受け

今までの
潮の渦のような
自分ではどうにもならない
すさまじい転換期とは
またちょっと雰囲気は違うが
きっと、
また
何かが変わろうとしているんだろう。



そして


その豆腐のようなイメージは
何か私の中の
スイッチを切り替え

跡形もなく
消えて無くなった。




あぁ、そうか


「第二章」が始まるのか 。

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