限界とゆとり 8
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“>1話から読んでみたい
人の言葉ひとつで
こんなにも人の頑なな心を
楽にするものなのだと
痛感した。
「言霊」とはよく言ったもんだ。
それはまるで魔法のようだった。
『いつものひさえさんの方が好きだわ』
その一言が私を変えたのだ。
そうそう、あなたよ。
この次、会えるの楽しみにしてるわ♪
さて…
人にはきっと
同じ台詞を他の誰に言われても響かないのに
ある日、他の人から言われたとたん
空回った歯車が
ゆっくりと確実に動く瞬間がある。
まさにその通りだった。
彼女に会ったのは
工房の外で営業の最中。
ちょっと大きな仕事だったので
ちょっと背伸びして
バリバリ「ハッタリオーラ全開」だった(笑)
彼女のその一言は
なぜか、ゆっくりと心に入ってきた。
私個人としては、もちろん「いつもの自分」は大好きだ。
だから、その日が無理してたのは自覚していた。
しかし、多分同じ事を他の誰に言われても
多分、あの時のような
穏やかな受け入れ方は出来なかっただろう。
彼女のその一言は
「ハッタリオーラ全開」の私を
決して否定してる訳ではなく
それでも工房にいる時の私がいいと言ってくれる。
その言葉の持つ「音」の優しさが
とても気持ちよかった。
きっと
人には言葉が必要なんだと思う。
自分が解っていても
たとえ同じ言葉でも
響く音で、
伝える人の心で
受け取り方が変わるのだと
「思っている事」を口にする事は
もしかして
思っている以上に
相手の心を解かすのかもしれない。
手の故障の真っ最中
その彼女の言葉で
これから先を考えて
冷静さを失って空回りしていた私の歯車は
ゆっくりと歯を噛んで回り始めたのである。












